最近、気になり始めているメキシコ北部、国境の街。
きっかけは、チカーノカルチャーに興味が湧いてきた事と
『アンソニー世界を喰らう』の
エルパソ取材時に映り込んだサンタムエルテ像が素晴らし過ぎた事。
バイヤー魂と現実を知りたい願望がダブルでやってきました。
これは、もう行くしかないw
『ボーダータウン 報道されない殺人者』 監督:グレゴリー・ナヴァ 2008年公開 |
いずれ行く日を想定し勉強のためと
以前から気になっていた主演:ジェニファーロペス、監督:グレゴリー・ナヴァ
『ボーダータウン 報道されない殺人者』を昨夜、観賞しました。
物語の舞台は、
アメリカとの国境の街、シウダ・デ・フアレス。
映画を観るまでは、
メキシコいち危ない場所、激しい麻薬戦争地帯としての認識のみでした。
映画を観て知ったのは
この街は、NAFTA(北米自由貿易協定)の犠牲者である事。
NAFTAが施行後、急速に進出・拡大してきた外国資本 の工場は
雇用を生み出すと同時に不当な搾取も生み出します。
工場で働く女性の賃金は、1日働いて¥500、住んでいるのはスラム街。
雇い主は、綺麗なスーツに豪華なパーティ。
主人公エバの「あの人達は、運がいいだけよ」というセリフが心に刺さった。
富裕層と貧困層は、
ほとんど交わることは無いとメキシコの知人から聞いたことがあります。
太陽と陽気な国、ガイコツがカワイイ国、それもメキシコ。
この映画で描かれているのもメキシコの真実。
グレゴリー・ナヴァ監督のインタビューを読んでゾッとしました。
グローバル化を考える その1
『ボーダータウン 報道されない殺人者』グレゴリー・ナヴァ監督インタビュー
この映画も一つの発端になって、メキシコ政府やフアレスの役所、警察当局に対して、圧力がかかり始め、何とかこの事件を明るみに出そうとしているにもかかわらず、
まだ殺人は続いています。一連の事件で、未だ一人として犯人は検挙されていませんし、
正式な調査というのもされていません。
それどころか、つい最 近メキシコ政府は正式な声明として、これは全部嘘だ、
こんな事件は起きていないと公言したのです。
舞台となったフアレスでこの映画が公開になったとき、
ジャーナリストたちは政府を恐れて公開されたという事実を新聞などに一切掲載せず、
公開された劇場や劇場の前に張られたポスターをマシンガンで
撃ち抜かれるといった嫌がらせも受けました。続きを読む……
『ボーダータウン 報道されない殺人者』は
メキシコ好きもサスペンス映画好きも楽しめる映画です。
そして
TPPへの参加が決定した日本の未来を考えさせられる映画でもあります。
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